友達のふとした疑問からできたトピックです。
英語圏に喪中ってあるんでしょうか?
気になったので、アメリカ人とニュージーランド人の友達に質問してみました。
英語圏に喪中という風習はあるの?
結論から言うと、そんな風習はないようです。
“そんな風習”を具体的に申し上げますと。
私は友達の
海外に喪中ってあるのかな?
という、ふとこぼした疑問から、
そういや知らないな。どうなんだろう?お正月を祝うことができないみたいなことあるのかな?
と気になり、Kate, Emma(カリフォルニア出身)とMatthew(ニュージーランド出身)に質問してみました。
質問したのはこの3つ。
- 海外(キリスト教文化の国)はクリスマスのお祝いはできない?
- 日本で年賀状が出せないように、海外もクリスマスカードが出せない?
- 日本が喪中はがきでお知らせするように、海外もお知らせする方法はある?
全員から返事が来たので、一人ずつ紹介していきますね。
Kateの喪中の話(アメリカ)
Kateに質問すると、私と同じようにとても関心を持ってくれました。
単に「喪中の文化はあるの?」と聞いてもピンとこないかも知れないと思ったので、まず日本の喪中の文化を説明しました。
日本では家族が亡くなると翌年のお正月のお祝いを控える風習があるの。年賀状や新年のあいさつは控えるし、おせち料理も作らないの。
昔ほど厳しくはないものの、今もその風習は残っているんだけど、アメリカにもそういう風習はあるの?クリスマスカードを送ってはいけないとか、パーティーをしないとか
と聞いてみました。するとこんな返事が。
古い時代にはあったと思う。でも今はないかな。
私も昔突然親戚が亡くなって、ものすごくショックだったの。クリスマスの直前だったから、家族みんなクリスマスを祝う気にはなれなくて何もしなかったわ。心を癒すのにとても時間がかかったの
なるほど。喪に服すというナショナルな文化はなくても、クリスマスのようなめでたいことを祝う気にはやっぱりなれないんですね。人間として自然な感情ですよね。
詳しいことはわからないけど、みんな大っぴらには喪中だとは言わないと思う。
クリスマスカードも普通に送り合うし、パーティーもするわよ。そんな気分になれない人はしないってくらいかな。
日本は一年も喪に服すなんて長いのね。
喪中期間が一年というのは形式的なもので、今は年賀状を出さないくらいだよ。結婚式も四十九日を終えたら出席する人も多いよ。
と注釈しておきました。宗教によっても色々違ってくるでしょうけど、そこまでは私も詳しくないのでおおまかな部分しか説明しませんでした。
Matthewの喪中の話(NZ)
Matthewにも聞いてみましたよ。NZの文化も気になります。
そんな文化はないよ
とのことでした。
確かにクリスマスはハッピーなイベントだけど、誰かが亡くなったからってクリスマスパーティーをしないってことはないかな。
もしクリスマス直前に亡くなったのならやらないと思うけど、日が経っているならお祝いすると思う
ふむふむ。じゃあ仮に私の家族が今年亡くなったとして、私がMatthewにクリスマスカードを送ったら「Shikiは喪中なのにカード送ってくるなんてどういう神経してるの?」って不快に思ったりする?
僕らにそんな文化はないからなんとも思わないよ
うん、まぁそうだよね。自分の文化にないことに過敏になるわけないよね。いちおう聞いてみただけです。
じゃあ、Matthewの家族にご不幸があったとして、私がMatthewにクリスマスカードを送ったら嫌な気持ちになる?僕は悲しみの中なのにどうして送ってくるのって不快に思う?
うーーん、やっぱり特になんとも思わないかなぁ。そういう文化ではないから。でもつらい気持ちになる人もいるとは思うし、クリスマスカードを送らないという人もいると思うよ。僕も直近なら送らないかもしれない。これはもう個人の気持ちの問題で義務でも風習でもないことだよ
と答えてくれました。
日本ではその文化はしっかり残っていて、そうするのが当たり前という義務のような感じですが、英語圏では個人の気持ちに任せるんですね。とても自然なことだと思います。
あ、義務と書きましたが、もちろん日本人も個人の気持ちが一番大切ですよね。四十九日でけじめをつける目安にはなりますが、心はすぐに切り替えられるものではないですもんね。心が癒されるのに決まった時間なんてないです。
でも一周忌、三回忌など、気持ちに区切りをつけさせてくれるこの風習(というか宗教的儀式?)があってよかったなと、個人的には思います。
Emmaの話(古い時代の喪中の話)
EmmaもKateの意見に同意した上で、さらに詳しく教えてくれました。興味ある方はお読みください。
昔のアメリカの人々の喪中はとても厳しいものだったようです。黒い服を着るようにし、外では顔を見せてはいけませんでした。
映画の葬儀のシーンで、女性が黒い帽子にベールをつけて顔を隠していますよね。顔を見せてはいけないという理由だったんですね。(男性はどうなんでしょう?海外ドラマや映画をあまり観ないのでわかりません…)。
そして人と話をすることもダメでした。(すべての人とではないようです)
ただ、アメリカは本当に広いので、地域によってルールは違います。宗教でも変わるでしょう。なのでこれがすべてではない事も知っておいてくださいね。
さらにEmmaは最近の話もしてくれましたよ。
今はとても個人的なものになっていて、葬儀も家族と友達の為だけにやるようになっているし、葬儀屋さんもルールにとらわれず個々のリクエストを尊重してくれるわ。
家族葬は日本でもスタンダードになってきてるよ
一般的に喪に服している間は、今でもあまり*パブリックな場所には出ないの。(*繁華街や観光地のような場所のことだと思います)
それは彼らがそうしたくないから。逆に家にいたくない気分の人は外出してるわね。
うーん、なるほど。よくわかります。
もしあなたがクリスマスや結婚式のお祝いパーティーをしたいなら、彼ら(喪中の人)と一緒にしてもいいのよ!彼らに聞いてみるといいわ。一緒にパーティーをすることは気分転換にもなるし、とても良い事よ!
でも彼らがまだちょっと気持ちが癒されてないなら、クリスマスカードを送るくらいにするのがいいと思う。そして彼らがまだまだ悲しみの中で打ちひしがれているのなら、そっとしておいてあげるのが大切ね。
とにかく今のアメリカは喪中という文化はオフィシャルではなくなっているわ
やはり本人の気持ち次第ということですね。日本でもそうなりつつありますよね。
たった三人の話ではありますが、三人とも一般常識を持った頭のいい人達ばかりなので参考になると思います。
不幸に関する英語集
不幸があった時に使う英語にも少し触れておきますね。たくさんありますが、私が聞いたことのある代表的なものをご紹介しておきます。
「喪に服す」という英語は mourn(動詞), mourning(名詞) です。
発音を無理やりカタカナで書くと mourn(モオン), mourning(モオニング) *スペルは違いますが朝(morning)と同じ発音記号でした。
喪中であるという英語
We go into mourning for our grandmother. (私たちは祖母の為に喪に服します)
Our family is in a mourning period. (私たちは今喪中です)
他のご不幸に関する英語も少し紹介します。
人が亡くなった時の英語
I lost my brother. (私は兄を亡くしました)
One of his family member passed away. (彼の家族の誰かが亡くなった)
最後はお悔やみの英語を紹介。
この3つのフレーズは、私の親戚が亡くなった時に友達からたくさんの温かい言葉をもらって覚えた言葉です。
お悔やみの英語
Please accept my sincere condolences. (お悔やみ申し上げます) ←丁寧な表現
I’m sorry for your loss. (お悔やみ申し上げます) ←少しカジュアル
May his/her soul rest in peace. (安らかにお眠ください)
まとめ
喪中という文化はなく、個人レベルの悲しみの深さで生活スタイルが変わる
彼らの話をもう一度おさらい。簡潔にまとめておきますね。
・英語圏に喪中という文化はない
・クリスマスは普通に祝う
・クリスマスカードを送っても問題ない
・新年のあいさつもOK
・個人的に喪に服すことはある
・古い時代はとても厳しい服喪文化があった
海外の友達にご不幸があった時は、クリスマスカードを送ってもいいか聞くのがいいですね。サプライズにしたい人もその年だけは我慢です。
参考になりますように。
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