外国人にお箸上手ですね!は褒め言葉じゃない!?

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文化・風習

 

お箸の文化じゃない国の人達がお箸を上手に使っているとびっくりしませんか?「お箸上手に使えるんだね!」と感心したり、かなりの日本好き?と嬉しくなったり。日本だけがお箸の国ではないけれど、それでも日本食をフォークとナイフでなくお箸で食べているところをみると嬉しい…というか「おぉ!」と思ってしまいます。

10年前はそれほどでもなかった

私が10年ほど前にNZの日本食レストランで働いていた時は、お箸を使うお客さんとフォークを使うお客さんは半々くらいでした。基本のテーブルセッティングはお箸でしたが、食事をサーブする時に”Do you need a knife and fork?” などと聞いていました。

お箸の文化でない人たちがお箸を上手に使っていると純粋に上手だなぁと感心して、”You’re a good chopstick user!” と褒めていました。褒めるのが相手への礼儀かなぁとさえ思っていました。

その時の友達やお客さんはみんな “Thank you.” と嬉しそうに返してくれていました。

2015年以降のお箸事情

KateとEmmaと初めてうちで食事をした時、私はふたりに「お箸とフォークどっちがいい?」と聞きました。ふたりは「お箸でいいよ」と答えました。KateもEmmaもそつなくお箸を使います。私と友達(日本人)が感心して「お箸上手に使うね!」と言うと、ふたりは「え?なんで?」と驚いた顔をしました。

 

ふたりは「お箸を使えるなんて普通だよ?」と言うので、逆に私たちがびっくり。「え?普通なの?」と聞き返しました。(゜o゜)(゜o゜)なんと!

 

カリフォルニアはアジア系の移民が多く、日本食・中華・タイ料理などのレストランがたくさんあり、みんな子供の頃からお箸を使っているそうです。カリフォルニアの若い人はみんな使えると言ってました。ほ~こりゃびっくり (゜o゜)

 

KateもEmmaもご近所のアジア人のおばさんからお箸の使い方を教えてもらったそうで「子供の頃から使ってるからお箸で食事は当たり前。どうして褒められるのかよくわからない」ということでした。

 

Emmaの弟Nickが日本に遊びに来た時もうちで一緒に食事をしました。Nickも上手にお箸を使います。その時もつい感心してしまい「うまいね!」と褒めてしまいました。
やはりNickは「え (゚Д゚;)?」という顔。普通に使えるお箸を褒められても嬉しいという感情にならなかったようです。しきりに「どうして褒めるの?」と不思議そうな顔をしていました。

 

私達からすると、アメリカ人に「フォーク使えるの!?すごく上手!」って言われてるような感覚なのでしょうか?もしそうなら「フォークくらい使えるし…(´・_・`)」と思ってしまいます。「ていうかフォークで褒められるってナニゴト!?皮肉!?(´゚д゚`)」とも思ってしまって、Thank you なんて言えないかも。。。そう考えると彼らの気持ちがわかります。アメリカ都市部ではお箸を使うことは珍しくもなんともないんですね。

 

実は今年ニュージーランドに行ったのですが、NZでもみんなお箸を上手に使ってました。テイクアウト用のお寿司なんかは最初からパックに割り箸がついています。日本食レストランにも行きましたが、みんなホントに上手です。ラーメンもちゃんとつかんでましたよ。

褒められない。でも褒めたい。

もう欧米人にお箸を使えることを褒める時代ではないようです。一緒に日本食を食べに行っても素知らぬ顔でやり過ごすのが良いようです。もしうっかり褒めて怪訝な顔をされたら謝りましょう。悪気がないことを伝えればきっと相手もわかってくれます。

“Oh, I’ve just remembered. To use chopsticks is a common thing in your country, isn’t it? I’m sorry if you mind. (あ、今思い出しました。お箸を使うことは普通なんですよね。気を悪くしたらごめんなさい。)” こんな感じで謝れば大丈夫です。

 

いや、もう褒める方向でいこう!そうしよう!

 

と開き直った人は、「上手だね!」じゃなく「持ち方や使い方がパーフェクト!」と褒めるのはどうでしょう?持ち方が正しい人はまだまだ少ないんです。ばってん(×)に交差していたり、真ん中で持ってる人も多いです。ちょっと見た目よくないですよね。なのできちんとした持ち方をしている人には、
“Your chopsticks manner is perfect! (箸使いが完璧!)” とか
“Beautiful your way to hold chopsticks! (お箸の持ち方がキレイ)” と褒めましょう!

“Because many people hold chopsticks in the wrong way, even Japanese. (日本人でもお箸の持ち方が間違ってる人がたくさんいるから)”

と褒めたくなった理由も付ければ、きっと欧米人もご満悦♪ (自然な褒め方がわからないので、通じる英語でご勘弁を)

気をつけたいエピソード

Emma、Nickと食事をした時、私の夫Hiroyukiは気を遣ってフォークを出しました。私たち夫婦の席にはお箸を、EmmaとNickの席にはフォークを置いたので、私はそれは失礼かもと思い、Emmaに「お箸でいいよね?」と聞きお箸に取り換えました。Emmaもちょっとフォークを見つめていたのですが、何も触れず “Yes, please!” と笑顔で返事をしてくれました。

 

Hiroyukiは善意でしたことなのでEmmaも理解しています。Hiroyukiもそんなカリフォルニアの事情なんて知らないので何も悪くありません。でも上の事情を知ってしまうと、これからはお箸を当たり前のように出すか、サーブする前に聞くのがよさそうです。差別っぽくなるかもしれないですからね。気をつけましょう。

chopsticks*freak out は混乱してあわてふためくという意味です(本来はもっときゃーきゃー叫んでパニックになるイメージです)。flattery はお世辞。

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